マネジメント
2018/07/09

今日からはじめたい部下のやる気を引き出すための3つの方法!

(写真=fizkes/Shutterstock.com)
(写真=fizkes/Shutterstock.com)
自分の目から見ると、どうにもやる気のない部下。そんな部下に対して「頑張れ!」「気合いだ!」と勢いだけのげきを飛ばしてはいないでしょうか。それで部下がやる気を出しているのなら問題ありませんが、たいていの場合はむしろやる気を削いでしまっているはずです。ここでは、人がやる気をなくす原因と、部下のやる気を引き出すための3つの方法を解説します。「頑張れ!」「気合いだ!」はもうやめて、より効果の期待できる方法を実践してみましょう。

アドラー心理学に学ぶ、部下のやる気が削がれる原因

ジークムント・フロイト、カール・グスタフ・ユングと並び、現代心理学の基礎を築いた人物として知られるアルフレッド・アドラー。近年日本でもベストセラー『嫌われる勇気』などで一般に知られるようになってきました。このアドラーは「やる気が削がれる原因」について以下の3つを挙げています。

・目標を認識できていない
そもそも目標を設定できていない。設定していたとしても、内容があいまいで結局どこに向かえばいいかがわからない。

・目標が実力をはるかに超えたところにある
目標が自分の実力では到底達成できないようなレベルに設定されている。

・自己イメージが必要以上に低い
実力に相応の目標だったとしても、自分の実力を必要以上に低く見積もっているために「どうせ無理だ」と思ってしまっている。

部下のやる気はこうして引き出す

上記3つの原因を解消して部下のやる気を引き出すためには、上司自身が仕事のやり方を変えるだけでなく、上司が部下に働きかけて一緒に変わっていく必要もあります。以下に具体的な方法を解説します。

●目標を徹底的に具体化する
大前提として部下の目標を設定するのは、部下を評価する上司の仕事になります。なぜなら、部下を評価するということは、「これをすれば評価する」という目安を与えることでもあるからです。この目安こそが目標です。「部下の目標を設定するのは部下自身の仕事」と考えている人は、まずその考えを改めなければなりません。

ただし、目標は設定すればいいというものではありません。「営業成績を伸ばすために最大限の努力をする」とか「スキルアップを目指す」といったあいまいなものは目標とは呼べません。なぜなら、「期限設定」と「数値化」によって、何をどうすれば達成したことになるのかが具体的に理解できるようになって初めて、目標は機能するからです。

例えば、「来月の営業成績を前年比+10%にする」「今年度末までに総額2,000万円の英語での取引を成功させる」などです。「最大限の努力」だけでは、部下にとっての努力と、上司にとっての努力に違いが生まれてしまいます。部下からすれば「自分にとっては最大限の努力をした」と思っても、上司がそう思わなければ評価にはつながりません。

しかし、「来月の営業成績を前年比+10%にする」という目標なら、たとえ努力をしようがしまいが、来月末までに前年比+10%を達成すれば評価されるため、やる気が湧いてきます。また、「スキルアップ」という表現も、何をもってスキルアップとするかがあいまいです。部下はスキルアップと思って簿記検定1級を取得しても、上司がそれをスキルアップとみなさなければ評価にはなりません。

しかし、「今年度末までに総額2,000万円の英語での取引を成功させる」という目標が示されれば、「ビジネス英語のスキルを磨こう」「英語圏の商習慣を勉強しよう」という具体的な行動につながります。このように目標の具体化は、部下のやる気と深く関わっているのです。

●目標を細分化する
近代哲学のパイオニアにして、座標平面や微積分を発明した数学者でもあるルネ・デカルトは「困難を分割せよ」という言葉を遺しています。これは現代のビジネスでも十分応用の利く考え方です。つまり部下が「目標が高すぎる」と感じてやる気を削がれてしまっているのなら、本人が現実感を持てるレベルまで目標を細分化(分割)してやればいいのです。

例えば、3年後の最終目標に対して、1年ごと、3ヵ月ごと、1ヵ月ごと、1週間ごと、1日ごとといった具合に短期目標や中期目標を設定します。さらに、それらの目標について結果を評価する指標となる「評価指標(KPI)」や、プロセスを評価する指標となる「行動指標(KDI)」を設定します。

これによって細分化した目標ひとつひとつが具体化されるので、定められた期限までに何をすればいいかが明確になります。こうして一見高すぎるように見えた目標に細分化と具体化を施してやれば、部下も「一つずつ達成していけば最終的な目標に通じる」と感じられるようになり、削がれていたやる気を取り戻せるのです。

ただし、これはあくまで実際に部下自身に目標を達成できることが前提です。設定した目標が本人の能力や素質に対して本当に高すぎるのであれば、いくら細分化と具体化を施しても意味がありません。そのような場合は、上司が目標そのものを見直す必要があります。

●自己イメージを修正させる
自己イメージが低い人は、どんなに本人に能力があっても「どうせ無理だ」と諦めてしまいがちです。この問題を解決するためには、部下本人の自己イメージと周囲からの客観的な評価のズレを把握させて、部下の自己イメージを修正してやる必要があります。

例えば、営業の素質は十分であるにもかかわらず、自分自身を「営業力がない」と評価している部下がいたとしましょう。この部下の自己イメージを修正してやるには、次の3つのステップを踏む必要があります。

・ステップ1:自己イメージを詳しくヒアリングする
まずは、「どうして営業力がないと思う?」などと質問をして、部下が低い自己イメージを持っている理由を探ります。すると「初対面の担当者に会うときにすごく緊張する」「プレゼンの最中に頭が真っ白になってしまう」など、部下が思う自己イメージの根拠を引き出すことができます。他にも「自分ができると思っていること」「自分ができないと思っていること」などについても質問し、部下がどんな自己イメージを持っているかを詳しく聞き出しましょう。

・ステップ2:本人が「できていること」「できていないこと」を客観的に伝える
次に部下に対する周囲の評価や、実績などの数値を伝え、本人が実際に「できていること」「できていないこと」を知ってもらいます。例えば、営業に同行している先輩営業からの「こちらから見て緊張は伝わってこない」という評価や、「プレゼン中に営業先の担当者から質問されても、的確に答えられている」といった評価、同期の営業と比較した場合の営業実績などです。もし部下の営業先の担当者になじみがあるのであれば、そこから部下の評価をヒアリングしておいてもいいでしょう。

・ステップ3:自己イメージとのズレを認識させる
最後に自己イメージと客観的な評価のズレを指摘し、「自分で思っているよりも営業力があるということ」を理解してもらいます。確かに、この方法は時間も手間もかかりますが、「大丈夫!」「頑張れ!」といったあいまいな励ましよりは圧倒的に効果があるはずです。

明日からと言わず今日から始めよう

ここで挙げた3つの行動を始めるのに、早すぎるということはありません。「自分は部下に具体的な目標を設定しているか?」「部下の実力に対して高すぎる目標を与えていないか?」「部下は本人の能力を正しく評価できているか?」といった自問自答なら、帰路の電車の中でもできるはずです。「明日からでいいや」と思っている人は、ぜひとも今日から始めましょう。

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