マネジメント
2018/07/11

プロジェクト・マネジメントには3つのポイントがある

(写真=zaozaa19/Shutterstock.com)
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短期で低予算。すぐに結果を求められるプロジェクトを抱えているビジネスパーソンは多いはずです。これらをどうやって処理していけばいいのか。さまざまな厳しい制約のなかでプロジェクトを成功に導く技術である「プロジェクト・マネジメント」が重要視されているのはここにあります。ここでは、プロジェクト・マネジメントにおいて特に重要な3つのポイントを解説します。

プロジェクトの核となる「目標の明確化」

目標の明確化は、プロジェクト全体を円滑に進められるかを担う重要な作業になります。なぜなら、目標があいまいなままではプロジェクトそのものが機能しなくなるからです。例えば、たまたま抜てきされた新人がいきなりプロジェクトのリーダーを任されたとしましょう。何もわからない新米リーダーはプロジェクトに対して、とりあえず「プロジェクトの成功」を目標にしました。

しかし、これでは何をもって成功なのかがわからず、いつまでに成功させればいいのか、誰もわかりません。コストも人材も一切が不明です。評価の基準である目標があいまいだとすべてがあいまいになります。チーム内、チーム外とどのような連携を取ればいいかもはっきりしません。目標を設定したリーダー自身も、チームの出した成果に対してどう評価すべきか判断できません。目標を明確化しないだけで、プロジェクト全体が大混乱に陥ってしまうのです。

プロジェクトをスタートさせる時点で目標はできるだけ明確化されていなければなりません。目標を明確化する際のポイントは「数値化すること」「期限を設定すること」の2点です。例えば、「年間利益1,000万円」「年間売上3,000万円」といった具体的な数値を目標に掲げ、「来年度末までにこの数値を達成する」と期限を設定すれば、自ずとそれまでにするべきことが見えてきます。

もちろん、数値や期限には根拠がなければなりません。よく似た予算やコンセプトのプロジェクトを参考にしたり、競合にあたるプロジェクトの数値を参考にしたりして、実際に達成できる目標を設定するようにします。

解決すべき問題はどこにある?「タスクの具体化」

「タスクの具体化」は、プロジェクトのスケジュールやリスクを管理するうえで重要な役割を担います。アップルやモルガン・スタンレーなどでコンサルを担当した経歴を持つ経営学者マイケル・A・ロベルト氏は著書『なぜ危機に気づけなかったのか ― 組織を救うリーダーの問題発見力』のなかで、多くの組織が、問題を解決する段階ではなく、問題を発見する段階でつまずいていると指摘しています。

プロジェクトのスケジュールを立てるためには、「自分たちは何をいつまでにするべきか」を考えなくてはなりません。プロジェクトのリスクを管理するためには、「どこにどんなリスクがあって、いつまでにその対策を立てなければならないか」を考える必要があります。

これらを考えずに行き当たりばったりで目の前のタスクを処理していくだけでは、プロジェクトがどこに向かうかを管理することはできません。プロジェクトのスケジュールとリスクを管理するためには、解決すべき問題を発見し、具体化する作業が必要なのです。

これができるチームを作り上げるためには、以下のような方法を実践する必要があります。
 
「価値ある失敗」を奨励する雰囲気を作る 「失敗は隠したいもの」という文化がチーム内にあるとタスクの発見が遅れるため、「失敗は共有して活かすもの」という文化を作り、どんどん失敗の報告が上がるような雰囲気を作る。
リーダーが現場の生の声を聞きに行く 補佐役からの情報に頼っていると、補佐役が「報告するまでもない」と考えた情報がフィルタリングされてしまう。これを防ぐために現場の生の声を聞く時間を作る。
「直感」を大切にする 頭だけで考えてしまうとタスクの発見が遅れ、発見できた頃にはスケジュールに支障が出たり、リスクが表面化していたりする可能性がある。そのためより早くタスクを発見できる「直感」を大切にする必要がある。
発見したタスクを
すぐにスケジュール化する
何を解決するべきかを把握したら、それをいつまでに解決するべきかを考える。こうしてはじめて「タスクが具体化された」と言うことができる。

プロジェクトは長期になればなるほど、また、予算や人員も増えれば増えるほど、スケジュール管理とリスク管理の必要性も併せて高まっていきます。その際は、より確実にタスクを発見し、具体化していく作業が必要です。

プロジェクトを動かす「人」を管理する

人なくしてプロジェクトは成立しません。そのため、プロジェクトのチームをどんなメンバーで構成するのか、そのメンバーをどうやって育てて行くのかといった視点は必要不可欠になります。経済産業省を中心に紹介されているプロジェクト・マネジメントのグローバルスタンダード「PMBOK(Project Management Body Of Knowledge)」では、こうした人の管理を「人的資源マネジメント」と名付け、これを以下の3つのプロセスで説明しています。

1.組織計画
プロジェクトの会社内での位置付けや、対外的な位置付けなどを加味したうえで、どのような人材が目標達成に必要かを検討します。例えば、「会社として技術的に難易度の高いプロジェクトに挑戦するから、開発をスムーズに進めるために製造部門のキーマンをメンバーに引き入れよう」「競合を意識したプロジェクトだから、市場動向に詳しいマーケティング部の人材を確保したい」といった具合です。

2.要員調達
組織計画に基づいて必要な人材を集めます。社内外と交渉を繰り返して必要な人材を獲得するケースもあります。

3.チーム育成
集めた人材が、プロジェクトの目標に沿った行動と能力を身につけるためのプロセスです。スキルアップのための研修のほか、仕事上のコミュニケーションを活発にするためのレクリエーション、モチベーションアップのためのインセンティブなども、チーム育成の一環となります。人の管理をする際は、その管理が目標に沿ったものであるかについても配慮しなければなりません。どんなに優秀な人材も、設定した目標に適した人材でなければ意味がないからです。

小さなプロジェクトも大きなプロジェクトも基本は同じ

会社全体をあげて実行する大きなプロジェクトでも、部署の一部だけで立ち上げる小さなプロジェクトでも、マネジメントをする際の基本は変わりません。新しいプロジェクトを任されたり、そのメンバーとして選ばれたりしたときは、ぜひともここで解説した3つのポイントを思い出してください。
 

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